信託はその目的だとか、委託する財産の種類などによっていろいろの分け方があります。まず、信託の目的が公益か私益かによって公益信託と私益信託になります。公益信託というのは、寺院の建立、学校の設立、貧民の救済など学術、宗教、慈善事業の援助を目的とした信託で、外国ではこの種の信託が古くから発達していますが、わが国では後に述べる通り、昭和五十二年に開発され、それ以後急速に発達をみています。
次に、その信託が当事者間の意思によるものをもとに、自由な契約による設定信託(任意信託)と信託が満期などで終了しても受益者に信託財産をきちんと引き渡すまでは信託が存続するとされる法定信託とに分けることができます。たいていの場合には、普通の信託はすべて設定信託となります。また信託が当事者間の契約によるか、委託者の遺言によるかで契約信託(生前信託)と遺言信託(死後信託)に分かれます。
さらに、委託者が個人であるか法人であるかによって、個人信託と法人信託(会社信託)になります。これは信託する財産の持ち主が個人か法人かということであって、受託者が個人であるか法人であるかには関係ありません。そうして、信託の初めは個人信託ばかりでしたが、法人の財産が増えるにっれて、だんだん法人信託の割合も増える傾向にあります。このほか、委託者が受益者と同じ人であるか別の人であるかによって自益信託と他益信託に分けたり、受託者が信託を商売としているかどうかで営業信託と非営業信託に分ける分け方などがあります。
しかし実際には、わが国の信託が営業信託を中心に発達してきたため、信託業法にもとづいて信託会社が引き受けることのできる信託財産の種類によって分ける分け方が広く使われているようです。この場合は、①金銭の信託、②有価証券の信託、③金銭債権の信託、④動産の信託、⑤土地とその定着物の信託、⑥地上権と土地の賃借権の信託、⑦包括信託の七つに分かれます。このうち包括信託は、右の①から⑥の信託財産のうち二つ以上の財産を一つの信託契約で引受けるものをいい、昭和五十七年四月の法律改正に伴う施行規則で新たに定められたものです。いろいろな名称の営業信託について述べますが、これらは信託目的、信託財産、その管理処分方法などをもとにつけられた名称です。
2014年6月16日月曜日
新聞記者の留学生
私がまだバークレーのカリフォルニア大学にいた頃のことである。あの大学には多くの日本人の留学生がいた。留学生といっても日本では皆、会社や、大学や、研究所で立派な職を持っている人たちである。これらの人々は謙虚に、大学院の講義やセミナーに出席して、できるだけ多くのことを、アメリカの大学から学び取ろうとしていた。その中に某新聞社のKさんがいた。たしかKさんは一年の予定でバークレーに来たのだと思う。遠い異国での日本人同士でもありKさんの人柄もあり、私はすぐKさんと親しく意見を交換する間柄になった。
それから問もなく私はKさんからこんな相談を受けることになった。Kさんの言うには、自分がバークレーで勉強できる期間は限られているし、一生のうち仕事から離れて、勉強に打ち込むことのできるのはこれが最後の機会だと思うという。また自分の上司に、アメリカの大学にいったら、新聞記事になるような出来事とは、全く関係のない基本的なことを勉強してこいと言われた。しかしこれは言うはやすく行うは難い要求である。一体どの教授の、どういう科目をとったらよいだろうとKさんは言うのである。
私はこのKさんの上司はまことに見識の高い立派な人物だと思った。もちろんKさんもこの上司の言葉をもっともだと言っていた。しかしアメリカに来て、Kさんの新聞記者としての血は騒いでたまらないようであった。あれは丁度、月へ人間を送るロケットが発射されるというので、アメリカ中が沸き立っていた時だったと思う。Kさんはどんな科目をとろうか困っていると言いながら、一方では矢も盾もたまらなかったらしい。しばらくその姿が見えないと思ったら、大学の講義はさておきスペースーセンターのあるヒューストンに、しばらくいってきたと言っていた。
アメリカの大学は約十一週間が一学期で、この一学期ごとがしのぎをけずる苦しい短期決戦である。正規に単位をとるのだったら「ちょっとヒューストンへ」などと言っていたら、たちまち落第してしまう。私は「月ロケットなどの話は、ほとぼりが覚めたらそれで終りですよ。それより本当に一生役に立つ、基本的な勉強をおやりなさい」とKさんに忠告したような気がする。
それから問もなく私はKさんからこんな相談を受けることになった。Kさんの言うには、自分がバークレーで勉強できる期間は限られているし、一生のうち仕事から離れて、勉強に打ち込むことのできるのはこれが最後の機会だと思うという。また自分の上司に、アメリカの大学にいったら、新聞記事になるような出来事とは、全く関係のない基本的なことを勉強してこいと言われた。しかしこれは言うはやすく行うは難い要求である。一体どの教授の、どういう科目をとったらよいだろうとKさんは言うのである。
私はこのKさんの上司はまことに見識の高い立派な人物だと思った。もちろんKさんもこの上司の言葉をもっともだと言っていた。しかしアメリカに来て、Kさんの新聞記者としての血は騒いでたまらないようであった。あれは丁度、月へ人間を送るロケットが発射されるというので、アメリカ中が沸き立っていた時だったと思う。Kさんはどんな科目をとろうか困っていると言いながら、一方では矢も盾もたまらなかったらしい。しばらくその姿が見えないと思ったら、大学の講義はさておきスペースーセンターのあるヒューストンに、しばらくいってきたと言っていた。
アメリカの大学は約十一週間が一学期で、この一学期ごとがしのぎをけずる苦しい短期決戦である。正規に単位をとるのだったら「ちょっとヒューストンへ」などと言っていたら、たちまち落第してしまう。私は「月ロケットなどの話は、ほとぼりが覚めたらそれで終りですよ。それより本当に一生役に立つ、基本的な勉強をおやりなさい」とKさんに忠告したような気がする。
2014年6月2日月曜日
太平洋展開米軍部隊と第7艦隊
各種航空機の混合編成とすると整備支援が大変で、しかも各型の航空機は各々少ない数しかないから、予備機の余裕がなく、継続的な作戦が難しい事実も判明した。このため混成航空団編成は、訓練にはよくても実戦には適していないとして、AEFの編成を従来の単一機種方式に改める方向が検討されている。そうなると、派遣されるAEF部隊は大規模なものとなり、そう簡単に緊急展開ができなくなると予想される。
結局のところ、予見し得る将来においては、例えば嘉手納や三沢の米空軍部隊が撤退して、AEFが代わりに「必要な時に」展開してくるという状況にはならないであろうと考えられる。仮にそのような状況になったとしても、プレゼンスの効果を大きく減じないようにするために、かなり頻繁にAEF部隊が日本の航空基地(まだ返還されない米軍航空基地か、自衛隊の航空基地)に展開してくるようになるだろう。
一九九七年中期の時点で、米国はアジア・太平洋地域においては日本、韓国、フィリピン、タイ、シンガポール、オーストラリアに部隊を置いている。さらに、第7艦隊が西太平洋からインド洋に展開し、グアム島とサイパン島に海兵隊の装備を搭載した事前配備船(MPS)が置かれている。このうち、日本と韓国、そして第7艦隊を除けば、米軍人の数は百上二百人規模でしかなく、MPSもその運用管理に当たっているのは民間人が大半である。在日米軍は陸・海・空・海兵隊合わせて約四万人、在韓米軍はやはり陸・海・空・海兵隊合計三万六千人、そして第7艦隊は海軍と海兵隊で約一万五千人、総計九万人強で、これがアジア・太平洋地域の米軍十万人態勢の内訳である。
あくまでも平時における展開兵力で、危機や長期的人道支援活動が必要な状況になれば、当然、米本土やその他の地域から増援が行われる。また、アジア・太平洋地域の戦略状況や米国の利権が大きく変化して、米軍のプレゼンスを継続する必要が減じた場合には、これらの米軍の一部が削減される可能性もある。日本がどう考えようとも、米国は現在、この規模の米軍を展開させておく必要性があると考えているのであって、この点を誤解してはならない。
一般にはあまりよく知られていないが、第7艦隊といっても恒久的な編成、規模を持っているものではなく、所属艦艇は常に変化しているし、その数も常に変わっている。米海軍は太平洋と大西洋に各々一つの大きな艦隊を保有している。太平洋艦隊と大西洋艦隊である。太平洋艦隊の担当範囲は米本土西海岸からアフリカ東岸まで、つまり太平洋とインド洋で、同じ作戦範囲を担当する、より上級の陸・海・空軍統合作戦組織、「太平洋軍」の指揮下で作戦を行う。同じように太平洋空軍、太平洋陸軍も太平洋軍の下で作戦することになっている。
結局のところ、予見し得る将来においては、例えば嘉手納や三沢の米空軍部隊が撤退して、AEFが代わりに「必要な時に」展開してくるという状況にはならないであろうと考えられる。仮にそのような状況になったとしても、プレゼンスの効果を大きく減じないようにするために、かなり頻繁にAEF部隊が日本の航空基地(まだ返還されない米軍航空基地か、自衛隊の航空基地)に展開してくるようになるだろう。
一九九七年中期の時点で、米国はアジア・太平洋地域においては日本、韓国、フィリピン、タイ、シンガポール、オーストラリアに部隊を置いている。さらに、第7艦隊が西太平洋からインド洋に展開し、グアム島とサイパン島に海兵隊の装備を搭載した事前配備船(MPS)が置かれている。このうち、日本と韓国、そして第7艦隊を除けば、米軍人の数は百上二百人規模でしかなく、MPSもその運用管理に当たっているのは民間人が大半である。在日米軍は陸・海・空・海兵隊合わせて約四万人、在韓米軍はやはり陸・海・空・海兵隊合計三万六千人、そして第7艦隊は海軍と海兵隊で約一万五千人、総計九万人強で、これがアジア・太平洋地域の米軍十万人態勢の内訳である。
あくまでも平時における展開兵力で、危機や長期的人道支援活動が必要な状況になれば、当然、米本土やその他の地域から増援が行われる。また、アジア・太平洋地域の戦略状況や米国の利権が大きく変化して、米軍のプレゼンスを継続する必要が減じた場合には、これらの米軍の一部が削減される可能性もある。日本がどう考えようとも、米国は現在、この規模の米軍を展開させておく必要性があると考えているのであって、この点を誤解してはならない。
一般にはあまりよく知られていないが、第7艦隊といっても恒久的な編成、規模を持っているものではなく、所属艦艇は常に変化しているし、その数も常に変わっている。米海軍は太平洋と大西洋に各々一つの大きな艦隊を保有している。太平洋艦隊と大西洋艦隊である。太平洋艦隊の担当範囲は米本土西海岸からアフリカ東岸まで、つまり太平洋とインド洋で、同じ作戦範囲を担当する、より上級の陸・海・空軍統合作戦組織、「太平洋軍」の指揮下で作戦を行う。同じように太平洋空軍、太平洋陸軍も太平洋軍の下で作戦することになっている。
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