各種航空機の混合編成とすると整備支援が大変で、しかも各型の航空機は各々少ない数しかないから、予備機の余裕がなく、継続的な作戦が難しい事実も判明した。このため混成航空団編成は、訓練にはよくても実戦には適していないとして、AEFの編成を従来の単一機種方式に改める方向が検討されている。そうなると、派遣されるAEF部隊は大規模なものとなり、そう簡単に緊急展開ができなくなると予想される。
結局のところ、予見し得る将来においては、例えば嘉手納や三沢の米空軍部隊が撤退して、AEFが代わりに「必要な時に」展開してくるという状況にはならないであろうと考えられる。仮にそのような状況になったとしても、プレゼンスの効果を大きく減じないようにするために、かなり頻繁にAEF部隊が日本の航空基地(まだ返還されない米軍航空基地か、自衛隊の航空基地)に展開してくるようになるだろう。
一九九七年中期の時点で、米国はアジア・太平洋地域においては日本、韓国、フィリピン、タイ、シンガポール、オーストラリアに部隊を置いている。さらに、第7艦隊が西太平洋からインド洋に展開し、グアム島とサイパン島に海兵隊の装備を搭載した事前配備船(MPS)が置かれている。このうち、日本と韓国、そして第7艦隊を除けば、米軍人の数は百上二百人規模でしかなく、MPSもその運用管理に当たっているのは民間人が大半である。在日米軍は陸・海・空・海兵隊合わせて約四万人、在韓米軍はやはり陸・海・空・海兵隊合計三万六千人、そして第7艦隊は海軍と海兵隊で約一万五千人、総計九万人強で、これがアジア・太平洋地域の米軍十万人態勢の内訳である。
あくまでも平時における展開兵力で、危機や長期的人道支援活動が必要な状況になれば、当然、米本土やその他の地域から増援が行われる。また、アジア・太平洋地域の戦略状況や米国の利権が大きく変化して、米軍のプレゼンスを継続する必要が減じた場合には、これらの米軍の一部が削減される可能性もある。日本がどう考えようとも、米国は現在、この規模の米軍を展開させておく必要性があると考えているのであって、この点を誤解してはならない。
一般にはあまりよく知られていないが、第7艦隊といっても恒久的な編成、規模を持っているものではなく、所属艦艇は常に変化しているし、その数も常に変わっている。米海軍は太平洋と大西洋に各々一つの大きな艦隊を保有している。太平洋艦隊と大西洋艦隊である。太平洋艦隊の担当範囲は米本土西海岸からアフリカ東岸まで、つまり太平洋とインド洋で、同じ作戦範囲を担当する、より上級の陸・海・空軍統合作戦組織、「太平洋軍」の指揮下で作戦を行う。同じように太平洋空軍、太平洋陸軍も太平洋軍の下で作戦することになっている。