2014年11月1日土曜日

軍事介入は新しい問題を発生させる場合が多い

平和的手段が、紛争解決に絶対的に有効であるとはいえない。起きてしまった紛争に対しては、軍事介入以上に無力である。現行憲法が唱える「戦争の放棄」は、決して「果報は寝て待て」の楽天主義ではない。

「話せばわかる」が通じない修羅場のむごたらしさを深く認識し、紛争防止のため、平時において粘り強く努力を続けていくことが求められる、地味な厳しい道である。

平和主義が「エコノミック・アニマル」の遁辞に堕す事のないよう、それなりの覚悟と行動がともなわねばならないのである。

「武力によらない平和」を追求する平和憲法は、国の内外で「一国平和主義」「美しいだけで無力な理想主義」と祁楡され続けている。が、世界各地で紛争が絶えない時代状況の中で、ますます光彩を放つようになってもいる。

軍事的手段の限界が世界各地で明らかになってくるのにともない、紛争予防に全力を傾ける「平和的手段」の実利が、次第に広く認められるようになりつつある。

「戦争の放棄」を単なるスローガンではなく、平和達成に向けての現実的手段として定着させていくために、日本が取り組まねばならない課題は、たくさんある。

それは何より日本の持つ世界有数の経済力を活かすことである。食糧、エネルギー、疾病、環境紛争の根にあるこれらの地球規模の諸問題を解決するため、日本は、自らの人、物、情報・知識を総動員しなければならない。それが、二十一世紀日本に課せられた、困難ではあるが誇るべき使命といえる。