2014年9月1日月曜日

株式市場で株を買うことの意味

ただ効率的で完全市場に近いといわれるアメリカですら、ウォーレンーバフェットのように市場平均を圧倒的に上回る投資成績をほば毎年にわたって上げ続けてきた人もいます。日本の市場はアメリカほどには効率的でないと言われています(この点についてはマクドナルド教授がいくつか論文を発表しています)。その分、日本で儲かる株を見つけることは、少なくとも米国市場よりは、比較的容易だといえるでしょう。

さてここで、株式市場で株を買うことの意味をもう一度確認しておきましょう。株式を買うということは、会社の一部を買うということです。会社が発行している株を全部買えば、その会社は、あなたのものになります。たとえば、日立製作所の株を1000株買うとします。現在の値段をベースとしますと、おおよそ六六万円になります。日立が現在発行している株は全部で三四億株ありますから、日立を1000株買うということは、六六万円で日立全体の三四〇万分の一を買うということになります。

「現在の株価」に「発行済の株式総数」を掛けた金額、日立の例では約二兆円になりますが、この金額があれば、日立の全株をあなたは買うことができます。この二兆円に当たる金額を「時価発行総額」と言っています。もう一度整理してみましょう。株を買うということは会社の一部を買うことです。このことをまず押さえてください。次に、あなたが買おうとしている株を発行している会社の価値を考えます。会社の価値がこれから高くなっていくのであれば、あなたの株も上がっていきます。

それでは、会社の価値はどうやって計るのでしょうか。いよいよ本題に入っていきましょう。企業が生み出すキャッシューフローを予想する会社の価値とは、企業が将来にわたって生み出すことになるキャッシューフローで表わされます。最近よく耳にするようになった言葉ですが、キャッシューフローとはいったいなんでしょうか。

たとえばあなたが会社を始めたとします。オーナー経営者です。会社の資金を管理するため銀行に普通預金口座を開きます。商品を販売して代金が預金口座に入金されれば預金残高が増えます。従業員の給与はこの預金口座から払われます。会社で新しくコピーの機械を買えば、預金がその分減ります。こうして一年間を通じて、預金口座の残高が一〇〇万円増えたとします。これがキャッシューフローで、この年はプラスー○○万円のキャッシュ・フローがあったことになります。