2014年7月1日火曜日

信託の種類

信託はその目的だとか、委託する財産の種類などによっていろいろの分け方があります。まず、信託の目的が公益か私益かによって公益信託と私益信託になります。公益信託というのは、寺院の建立、学校の設立、貧民の救済など学術、宗教、慈善事業の援助を目的とした信託で、外国ではこの種の信託が古くから発達していますが、わが国では後に述べる通り、昭和五十二年に開発され、それ以後急速に発達をみています。

次に、その信託が当事者間の意思によるものをもとに、自由な契約による設定信託(任意信託)と信託が満期などで終了しても受益者に信託財産をきちんと引き渡すまでは信託が存続するとされる法定信託とに分けることができます。たいていの場合には、普通の信託はすべて設定信託となります。また信託が当事者間の契約によるか、委託者の遺言によるかで契約信託(生前信託)と遺言信託(死後信託)に分かれます。

さらに、委託者が個人であるか法人であるかによって、個人信託と法人信託(会社信託)になります。これは信託する財産の持ち主が個人か法人かということであって、受託者が個人であるか法人であるかには関係ありません。そうして、信託の初めは個人信託ばかりでしたが、法人の財産が増えるにっれて、だんだん法人信託の割合も増える傾向にあります。このほか、委託者が受益者と同じ人であるか別の人であるかによって自益信託と他益信託に分けたり、受託者が信託を商売としているかどうかで営業信託と非営業信託に分ける分け方などがあります。

しかし実際には、わが国の信託が営業信託を中心に発達してきたため、信託業法にもとづいて信託会社が引き受けることのできる信託財産の種類によって分ける分け方が広く使われているようです。この場合は、①金銭の信託、②有価証券の信託、③金銭債権の信託、④動産の信託、⑤土地とその定着物の信託、⑥地上権と土地の賃借権の信託、⑦包括信託の七つに分かれます。このうち包括信託は、右の①から⑥の信託財産のうち二つ以上の財産を一つの信託契約で引受けるものをいい、昭和五十七年四月の法律改正に伴う施行規則で新たに定められたものです。いろいろな名称の営業信託について述べますが、これらは信託目的、信託財産、その管理処分方法などをもとにつけられた名称です。