これらの四種はモーゲージ・バックド・セキュリティ(MBS)と総称され、パススルー証券として総括される。なぜパススルー(Pass-through)と呼ばれるのか。
それは発行金庫は同じような金利・期日等の抵当貸付金(モーゲージーローン)をまとめてプールして信託し、その信託証書を裏づけ(Backed)として商品化・流通化しやすい証券に細分化して発行する。
そして元利金や抵当物件上の権利はそのまま細分された債券の購入者に移行し、発行体をパススルーしてしまうからである。上記の四商品は保証・平均期間等が若干異なるが、基本的には発行者は抵当債権(資産)を実質上売却したと同じ効果がある。
モーゲージ担保債券(MBB)は七五年にS&Lなどが開発したもので、パススルー証書と異なり担保物件・元利金は債券購入者(投資家)に細分化・直結せず、表面的には発行体の発行する金融債と変わらず、ローン残高は発行体の貸借対照表にそのまま残っている。
一方、ペイスルー証券とは、パススルーとMBBの中間で、八三年にFHLMcが初めて開発した。現在は証券会社、貯蓄金融機関、保険会社なども続々と発行し、一般にCMO(Collat-eralized Mortgage Obligation抵当担保債務証書)として知られている。
発行体はモーゲージ・ローンを担保としてCMOを発行し、財務諸表上は債務として記帳されるが、元利金返済はCMO購入者(投資家)に直結(ペイスルー)しており、担保期間グループに応じ長中短各期の多様な債券が発行可能で、投資家のニーズに随時適合し、そのため多種多様の投資家をこの市場に呼びこむことに成功した。
民間発行体は主に特別の金融子会社を作り、これに発行させて自分は債務の直接負担者とはなっていない。しかし担保・格付けは厳格に守られているので投資市場での評価は良好で、最も標準的な抵当債権担保証券として着実に現在市場を拡大している。