1960年代から70年代にかけて、世界的に環境保護運動が広がっていったときに、こんな暗い終末論が繰り返し語られた。「人口と消費の爆発的増加で資源は枯渇し、自然は荒廃して人間も生きていけなくなる」。だがそれは、「いつか起きるに違いない」未来の話であった。そして、こんな危機感も、いつの間にかすっかり薄らいだものになってしまっていた。
しかし、人口の増加も資源の浪費も自然の荒廃も、収まったどころか、ますます規模が大きくなり、速度を上げている。各地を回っていると、大袈裟と思えたあの終末論が、地球のあちこちで現実のものになっているのを肌で感じる。自然の荒廃が極みに達して、人間の生存を拒否し始めている地帯が次第に拡大しているのだ。
仮に、そのような地帯を「生態系の崩壊ベルト」と呼ぶなら、このベルト上のどこを歩いても、森林の破壊、砂漠化、水や薪の枯渇、災害の激増に苦しめられ、最終的には飢餓や災害によっていのちを失うか、もしくは住みなれた村を逃げ出して流浪の生活に身を落としてしまう地元民の姿を見ることができる。ただ、発展途上国の辺地で日常的に起きている飢餓や災害は、よほど大きな被害にならない限り、私たちの目や耳に届くことはまずない。このベルトで何か起きているのか。